Composers

作曲家

Composer Profile

スコット・ジョプリン
1868 – 1917 アメリカ 近代

スコット・ジョプリン

「ラグタイムの王」。アメリカが生んだ跳ねるリズム。

生涯

アフリカ系アメリカ人のスコット・ジョプリンは、シンコペーションの効いた跳ねるリズム「ラグタイム」を芸術音楽の域へ高め、「ラグタイムの王」と呼ばれた。「ジ・エンターテイナー」「メイプル・リーフ・ラグ」は、映画「スティング」で再び脚光を浴び、今も世界中で愛されている。

クラシックとポピュラーの境界で、後のジャズへと続くアメリカ独自の音楽を切り開いた。彼のラグタイムは、ピアノ学習者にとっても楽しく弾ける人気曲である。

人となり

スコット・ジョプリンの人となりを示す 4 つの側面。

確立
ラグタイム
跳ねるリズムのピアノ音楽を芸術へ高めた。
別名
ラグタイムの王
ラグタイム全盛期を象徴する存在。
代表作
ジ・エンターテイナー
映画「スティング」で世界的に再流行。
影響
ジャズへの橋渡し
20世紀アメリカ音楽の源流のひとつ。

音楽スタイル

スコット・ジョプリンは、シンコペーションを効かせた右手の旋律と、規則正しく刻む左手の伴奏が生む躍動を核とするラグタイムの様式を、芸術的な高みへ引き上げた。行進曲やケークウォークの土台の上に、緻密な和声とソナタ的な構成感を持ち込んだ点に本質がある。

その音楽は単なる娯楽ではない。《メイプル・リーフ・ラグ》(1899年)に代表される作品は、複数の主題を持つ構造的な小品であり、ジョプリン自身は自作を「ハイクラスのラグタイム」と呼んで、下品な流行歌と区別した。後年はオペラ《トリーモニシャ》のような大作にも挑んだ。

代表作品(無料楽譜へ)

ピアノ史への貢献

ジョプリンはラグタイムを楽譜出版によって定着させ、アメリカ独自の芸術音楽の礎を築いた。《メイプル・リーフ・ラグ》は1899年にジョン・スターク社から出版され、ラグタイム流行の先駆けとなった。後のジャズやアメリカン・ポピュラー音楽へ流れ込む水源である。

1970年代の再評価は決定的だった。1973年の映画《スティング》での使用と録音復興を経て、1976年には没後にピュリッツァー賞が贈られ、その歴史的功績が公に認められた。

逸話

ジョプリンは元奴隷の父を持つアフリカ系アメリカ人で、黒人音楽家が芸術音楽の世界から締め出された時代を生きた。オペラ《トリーモニシャ》(1911年出版)は生前ついに本格上演がかなわず、1915年ハーレムでの試演は、ピアノ伴奏のみの粗末なもので不評に終わった。全曲の舞台初演は、彼の死から半世紀以上を経た1972年だった。

学習者にとって

まず心得るべきは、ジョプリン自身の指示「この曲を速く弾くな。ラグタイムを速く弾くのは決して正しくない」だ。1908年の教則本《スクール・オブ・ラグタイム》でも「揺れ(スイング)を掴むまでゆっくり弾き、いかなる時も速く弾くな」と説いている。

入口には《ジ・エンターテイナー》が向く。難所は左手で、規則正しい低音とコードの跳躍を崩さず刻みながら、右手のシンコペーションを合わせる両手の独立が鍵になる。《メイプル・リーフ・ラグ》は左手の跳躍が大きく、一段上の課題である。

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出典・参考

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